Ｈ・Ｇ・ウェルズ原作、ユニバーサル・ホラーの古典的名作『透明人間』（'33）に始まり、ジョン・カーペンター監督作『透明人間』（'92）やポール・ヴァーホーヴェン監督作『インビジブル』（'00）と脈々と受け継がれ、日本でも、大映の『透明人間現る』（'49）や『透明人間と蠅男』（'57）等で描かれてきた「透明人間」。今作では原因不明の病気として「ゆっくりと」透明人間に変異していく主人公ボブの恐ろしさや哀しさをリアルに感じさせながらも、失踪した愛する一人娘エバを探し出すサスペンス、そしてエバの前に立ちはだかる衝撃の事実を物語のキーとして、最新ＶＦＸ技術を駆使しながらも、リアリスティックな描写で観た後も登場人物に想いを馳せる屈指のエンターテインメント・ムービーとなった。