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コラム

2010.09

Vol.141(1/3)

【著者:おすぎ】

「キャタピラー」、「トイレット」、「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」

渾身の演技を見せてくれる「キャタピラー」

猛暑が続く日本列島に〝台風襲来〟の模様。朝早くから、ニュースの時間のトップは、沖縄沖で発生した台風が、予想に反して日本を直撃しそうな事を報道しています。雨が強くなる、風が吹き荒れる、などとアナウンサーが、さも大変な出来事みたいに喋っているのを見ながら、世界中で起きている〝異常気象〟の中で〝台風〟などというのは毎年のことではありませんか、と思ってしまう。まあ、8月の中旬に台風が来るのはまれなことでしょうが…。

民主党政権になってから〝アジア諸国〟に対して〝こび〟を売っている姿勢がウットウしい…。菅首相の韓国に対しての〝総括〟は〝お侘び〟の言葉ばかりでした。確かに第二次世界大戦当時、日本の政府、軍部がアジア諸国に対して、狂気の一端として酷いことをしてきたことは認めますが、戦後、その事に関して国際間の条約の中で日本は責任をとり、相手国も、それを良しとしてきた面があります。それを一方的に自分の方が悪かった、と公にする必要(かつて村山発言がありましたが…)が果してあるのか、私は疑問に感じました。それより、若松孝二監督の作った「キャタピラー」を世界の国に見てもらう方が、ズーッと我が国の国民の大方の意見が判ってもらえるのではないかと思います。

1943年、日本のある農村の妻のもとに、戦場から夫が帰ってきた。軍神となって、手足を失い、頭と胴体だけの姿になって。銃後の妻の鑑として生きなければならない妻の日常は一変する。口も、耳も、身体も機能せず、ただ、飲み、喰いする夫を手伝い、性の捌け口として妻は身体を使う…。秋から冬、冬から春へ、食べて、寝て、食べて、寝て…1945年8月15日。男と女に、敗戦の日が訪れた…。戦場で戦う者だけが戦争体験者では無い。銃後で暮し、傷ついて戻ってきた、なんの役にもたたない夫の面倒をみる妻だって充分、戦争体験者なのである…。若松監督の思いのたけを受け、寺島しのぶと大西信満のふたりの役者は渾身の演技を見せてくれます。〝戦争とは、これだ!! 〟と若松監督の叫びが心の芯にとどく、美事な反戦映画です。

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