2010.09
【著者:行 達也】
デフレ時代における音楽の価値について(2/2)
「データだけなんだから1曲200円は高いよ」I-Tunesミュージックストアで一時期こんなコメントをよく目にしました。最近はバカらしくて、コメント欄は見ないようにしてますが、ユーザーの意識の中で音楽は相当、価値の低いところまで落ちたようです。そもそも値段がほぼ同じという点が他の消耗品と混同される大きな要因だと思います。例えば、ある一点モノの絵画があって、「これはこのサイズ(大きさ)だから○万円」っていう尺度ってないと思うんです。よく考えたら消耗品にもちゃんと値段の差はあるじゃないですか。輸入のモノより国産のうなぎが高かったり。「誰が音楽を殺したのか?」とかいう本がありましたけど、間違いなく昔にレコードの値段を平均化したレコード会社のせいだと思います。とはいえ、今そんなもんを吊るし上げたところでホコリしか出てこないので意味がありません。前向きに対処していかなければなりません。
ただ、やはり最初っからユーザーにとって音楽の価値は“製造単価”でしかないところに大きな問題があると思います。あるアーティストがデビューのときはプロモーションの意味でできるだけ安い価格で販売する。ある一定の評価を受けて人気が出てきたら値段を上げる。もしくは、この作品はレコーディングに予算も日程も大幅にかかったから値段はちょっと高め。とか、こういう仕組みを最初っから確立できたとしたならば、現在の状況にはならなかったのでは?と思います。
とはいえ、資本主義社会でマーケットが拡大して、アーティスト以外に音楽で飯を食っていく人が増えた以上、歯止めの利かないことがたくさんあることも理解してます。それでも、やはり今取り組むべきは音楽の価値を高めることだと思います。その上で物質としてジャケットや盤があることは不可欠だと考えます。つまりここまでのロジックでパッケージの必然性を謳いたいワケですが、まあ説明が長過ぎる(泣)。誰も読まないってば。もっと端的に一言でこれらのことを言い表せたならいいのにと思ってます。
というワケで標語を募集します(急だなあ)。音楽は芸術品で、モノとして存在することに大きな意義があることをわかりやすく、「ウマイこと言うねえ!」風にまとめてください。CDVJ鈴木さん宛てに件名「整いました」でじゃんじゃん応募していただければと思います。他力本願ですいません。
【行 達也】
1968年大阪生まれ。長年勤続したタワーレコードを退職後
2004年東京下北沢にmona records(モナレコード)を開店。
CDショップにカフェ、ライブスペースを併設した小さな音楽総合施設を目指す。
http://www.mona-records.com
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