2011.11
【著者:村松 行人】
レンタル市場のサバイバル
(7)仕入が変わった、どう対応するか(1/3)
世界規模の経済危機の中で幸いなことに我が国の消費市場は健在のようです。月次の既存店売上・客単価を開示している大手のスーパーやコンビニ、専門店12社のデータによればこの7ヶ月間連続で売上も客単価も前年同月比を上回っています(日経調べ)。各社共に商品の付加価値の高さや独自性をアッピールして値引き販売を避け、採算の悪化を食い止めようとしているようです。また消費者の購買意欲は根強く今年はあまり値下げしなくても売れるというのが各社の感想。またコンビニでは利益率の高いデザートや弁当が売れ、女性客やシニア層が増えているとも。
ところが同じ日本の、同じ消費者をお客様としているレンタル市場の現状はどうでしょうか、長期的な経済不況の中でムダな物にお金を使わなくなった消費者ですが価値あるものには出費を厭わないという消費市場のトレンドに背を向けて、愚かなことに誰も期待していない50円、100円といったムダな値引きに明け暮れています。自らの首を絞めるような不毛な値下競争はこれ以上と続けるべきではありません。
長年多くの独立店の月次のレンタル売上の推移を見てきていますが夏以降、低料金競争に巻き込まれている店の経営状態が限りなく危険な水域に到達しています。そうした独立店の多くが毎月の売上が前年同月比で20%前後のマイナスとなっています。反対に競合関係がゆるやかな店の多くはわずかながらも昨対をクリアして厳しい中での小康を保っているようです。
間違いなく、DVDレンタルへのニーズはまだまだ健在なのに、市場のあり方は誰の目にも「異常」としか映らない、そして誰しもがこの状態に手をこまねいていると言うのが現状です。
売上高仕入比率は40%台?
低料金戦略チェーンと直接的な競合のない店でもレンタル売上は慢性的に停滞したままです。停滞の原因は低料金相場の定着。連休を狙って料金のディスカウント・キャンペーンを実施する店も多かったのですが、結果的には集客数が増えたり休眠会員が戻ってきたりといった、それなりの効果はあるものの客単価の落込みをカバー出来ず売上はマイナスといった例が一般的なようです。
独立系レンタル店の売上高は07年頃をピークに年々スローダウンしています。ビデオショップ経営研究会・会員ショップの平均値で見ると昨年(2010年)のレンタル売上は07年に比べ20%近くのマイナスです。売上の慢性的な停滞、あるいは落込みの中で生き残るための利益を確保するにはレンタル店の最大の出費である仕入予算を削るしかありません。仕入予算以外の諸経費はどの店を拝見しても削れる限り削っているのが現状と言ってもよいでしょう。
ということで先日、最近の独立系レンタル店の対売上仕入比率の実際をアンケートしてみました。
結果、個々の回答を見ると料金戦争の圏外の店では対売上仕入比率は40%台で推移しており、競争激戦商圏内の店は50%から60%を超える店も少なくありません。ということでアンケートの対売上仕入比率の平均値は以下の通り、両者の中間値です。
| 現状の平均仕入比率 | 51% |
| 理想的な仕入比率は | 44% |
売上高が20%減って仕入比率が同じなら当然、粗利益の絶対額は少なくなります。思い切った諸経費の切り詰めを断行したにせよ収益性の悪化は避けられません。まして料金戦争に押しまくられている店の採算悪化は想像を絶します。
そうした中で集客数を落とさずに売上のピーク時よりも仕入比率を下げている繁盛店も少なくありません。理由は仕入、①バイヤー能力のレベルアップによりムダな作品仕入排除、厳密な必要枚数の発注、戦略重点仕入etc、②仕入単価の値下がり、よりシビアな仕入れ交渉、③旧作の回転効率を上げる事による売上確保、 ④RSS仕入の効果的な活用、等々ですが見えてきたのは独立系各店の利益確保へのよりシビアな執念と挑戦ではないでしょうか。










