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レンタルと著作権

2010.06

【著者:村松 行人】

レンタル店生残りへの差別化戦略(5)
より集客力を高めて生き残る(1/3)

2度目のFile 11(米国破産法)を申請中だった米国NO.2レンタル・チェーンMovie Galleryが万策尽きて傘下のHollywood Videoや Game Crazyを含むチェーン全店(残っていた2.600店)の営業を停止して会社整理に入りました。

破綻の最大の誘因は10年前、当時NO.3チェーンだった同社が既にパワーダウンが著しかったNO.2チェーンのHollywood Videoを無理して買収したことですが、直接の原因はRedboxの自動レンタル機、いくら努力しても1ドルレンタルには勝てなかった。宅配レンタルや映像配信といった新しい競合メディアへの対応が遅れたことも指摘されます。 

米国の業界誌は「無能な経営陣の犠牲となって残存していた全ての店が消え、パート従業員を含めれば19.000人もの職が奪われた」と経営幹部の市場変化への不手際な対応を厳しく批判しています。

さらに同誌は、まだ多くの独立店が大手チェーンにはマネの出来ないしたたかな市場対応で生残っていること「職を失った彼らの一部分でもがそうした地元独立店で活路を見つけられれば・・・」とも書いています。

宅配レンタルや自動レンタル機、映像配信など競合メディアの成長が日本以上に著しく、しかも大手チェーンがこのありさまですから米国のレンタル市場はこれから独立店主導で動くことにならざるを得ません。新興競合メディアに大きくシェアを奪われつつある米国の独立店にとってもこれからが正念場、海の向うのご同業の皆さんの健闘を祈るばかりです。

競合メディアにはないリアル店舗の5大特性

日本でも宅配レンタルや映像配信といった新興メディアが影響力を強めてきました。「もうリアル店舗レンタルは時代遅れ」といった誤解や弱気な発言をよく耳にするようになりました。

しかし、本当にそうなのでしょうか。お客様の立場になって冷静に考えれば実際には宅配レンタルも、映像配信も、BS・CS放送も、自動レンタル機も、レンタル店のラインアップ(品揃えの充実度)、便利さ・簡単さ、サービス、さらには興奮度や満足度etc、どれを取っても比べものになりません。間違いなく、レンタル店がなくなったらお客様が映像を楽しむ機会は激減するでしょう。

リアル店舗のストロング・ポイントを整理してみました。

●競合メディアにはないレンタル店の5大特性

圧倒的な在庫量 新作入荷数 品揃え、面白い作品が山ほどある
観たい時にスグ借りられる  待たされない、入手が簡単
老若男女、全ての人がお客様 ネットやパソコンが使えなくてもOK
話題作以外にも行けは必ず何か面白い作品が見つかる、発見がある
とにかく安い、支払いが面倒でない

映像エンタテイメントのユーザー全てがインターネットを扱えるわけではありません。映像をダウンロードするブロードバンド環境が全ての家庭に整っている訳ではありません。あるいは、1配信や宅配のサイトにアクセスして、2会員登録をしてメンバーとなり、2支払い条件等に同意して、3場面をスクロースして作品を決め、4注文するetc。こうしたプロセスは若い人なら全く簡単なことかもしれませんが、それが出来る人ばかりとは限りません。

また、宅配レンタルでは在庫数10枚に借りたい人の順番待ちが100人以上、なんてことがよくあるとか。放送メディアではBSにせよCSにせよ、そう毎日ユーザーが観たい作品ばかり放映しているわけではなく、レンタル店の新作数や品揃えにくらべれば放映作品数はごく限られています。アダルトもあれだけネット上に動画が氾濫していて簡単にアクセスできるというのに,パワーダウンしているとはいえアダルト・コーナーが壊滅的なダメージを受けているという報告はありません。最近CDレンタルがDVDレンタルよりはるかに堅調なこともご存じの通りです。ひと足早くパッケージレス時代に突入している音楽産業ですらそうなのですから、上記の5大特長はそんなに簡単には変わらないでしょう。

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