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2017.6

第74回(1/3)

【著者:行 達也】

田中三一

田中三一さん

マスタリングエンジニア
田中三一さん

1942年生まれ。
1980年代よりソニーミュージック・エンタテインメントにてレベッカ、JUDY&MARY、佐野元春、Boom Boom Satellitesなど数多くの作品のマスタリングを担当してきたエンジニア。 2003年にバーニー・グランドマン・マスタリングに参加以降もクラシックからユニコーン、DJKrushまで幅広いジャンルの作品を手掛け、現在はスタジオATLIOにて活躍中。確かな手腕が高い評価を受けている。

前回はスタジオATLIOのマスタリングエンジニア、田中三一さんの主に70年代のお仕事について伺ってきましたが、今回は80年代以降のお話をお聞きしました。

―80年代に入って、CDの時代に突入するとデジタルという技術革新で、レコーディングにおける作業が画期的に便利になり、音質もある側面としては良くなった部分はありつつも、ネガティヴな要素はあったわけですよね?

「そうですね、マルチレコーダーもデジタルレコーダーへと移行するにつれその音の違いにかなり違和感を感じたりアナログレコードとCDの音の差にも違和感を感じたり、しかし流れはCDの方向へ行くに従って今度はレベルが気になってきたんです。ここからレベル競争が始まるんです。どんどんCDのレベルが上がってくる(注:ここで言うレベルはマスターの音量)ただレコードと違ってCDの場合は上限が決まっているんです。多少歪んでも音がデカい方がいいとか。そうなって初めて、やっぱり音の歪みが気になってくるんです。」

―確かに、例えばCD屋で試聴機にいくつかCDが並んでいて、隣のCDと比べて音が大きいとなんとなく音質が良く聴こえるというかアピール度が高くなってる気はします。小さいとなんか寂しい感じというか…」

「そうなんですよ。自分でボリューム上げればいいだけなのにね(笑)。だからクラシックなんかはダイナミクスを重んじているから本当に小さいですよね。できるだけ忠実に再現させるというために。でも、ロックやポップスはそういうレベル競争に陥ってしまったんですね。2000年ぐらいまで。で、そこからSACDやハイレゾなんかが始まってダイナミクスを重んじる流れに変化していきました。スピーカーやヘッドホンも高音質な商品がどんどん出てきたので、スマホで聴く分に音がつぶれてたら聴きにくいだろうっていうことですね。時代の流れというよりはハードの発達によって収束していった感はあります。こういったハードの発達はスタジオ環境も同様で、アナログ時代はマルチレコーダーだったのがデジタルレコーダーになった、デジタルレコーダーなんだけどアナログのコンソールで録っている、それが次にフルデジタルになってコンソールもデジタルになった、そしたら次はコンソールじゃなくてパソコンの中でやるようになって、もはやコンソールそのものが不要になってきた。今のDAWっていうやつですよね。そうなってくると次第に『昔のアナログレコーディングの方が音があったかくていいよね』デジタルは音がシャリシャリしてて、聴いてて疲れるっていう話になってきたんです。

―なるほど

「で、なんでそうなったかというと、例えばデジタルでレコーディングしたものをエディットするときに画像の修正と同様にポイントを拡大して部分的に修正するんですが、デジタルっていうのは拡大すると上限があるから粗くなって、画像が色あせてしまったりするのと同様に音が色あせるんです。デジタルだと情報量が落ちる。アナログだったらいくらでも拡大できるし、変わらないんですね。そこの違いなんです。そうやって感覚的に悪い方向に向かってしまった結果、アナログへの揺り戻しというのが出てくるんです。だから今でもビンテージの機材にそれなりの価値が付いてますよね?DAWの中でもビンテージに寄せたプラグインが高価で販売されたりしています。もちろんDAWの中なので、限界があって、アナログには勝てないところがあるんですけどね。」

―不思議ですよね。技術はどんどん進歩して行ってるのに昔の機材が重宝されるっていうのは。

「ですよね、でも確かに便利になってるんですよ。じゃあiPhoneのマイクで録った音源が商品がまったくダメかといったら100%そういうワケでもないんですよね。容姿端麗なアーティストがそこに重きを置かないでもリスナーが気にならなければそれでいいワケですよ。」

―まあ、そうですよね(笑)

「話は戻るんですが、マスタリング作業という工程で一旦アナログに戻るので、ここの部分をうまくコントロールすると、アナログのテイストを活かしたサウンドが構築できるようになると思います。ボクはそこを狙ってるんですけどね。そうするために機材が必要になってくるんですが、市販だとなかなか売ってなかったりするので、結局自分で作ってまかなっているんです。」

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