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コラム

2010.02

Vol.134(2/3)

【著者:おすぎ】

「アバター」、「インビクタス/負けざる者たち」、
「パレード」

今月の一押し「インビクタス/負けざる者たち」

今月の一押し、といえば、2月5日から公開されているクリント・イーストウッドの「インビクタス/負けざる者たち」でしょう。C.イーストウッドの最近の動きはスゴイの一言でしょう。もうすぐ、80歳の声を聞く年齢なのに、この10年間ぐらい駄作が一本も無いのです。去年の「チェンジリング」「グラン・トリノ」のあとに作られた「インビクタス~」は、1994年に南アフリカ共和国初の黒人大統領になったネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)の人柄と、傑出した政治家としての姿を、感動的に描いたものです。

翌年の‘95年に〝ラグビーワールドカップ〟が南アで開催されることはマンデラが大統領になる前にきまっていました。勿論、南アにもラグビーチームはありました。〝スプリングボクス〟というチームです。ラグビーは白人のスポーツで、黒人にとってはアパルトヘイトの象徴的なものでした。それに、このチームは長らく国際試合から追放されていて、〝南アの恥〟と言われるほどに弱かったのです。

政権を獲った黒人たちは国家スポーツ評議会でチーム名を変える決議をします。マンデラは評議会の会場に乗りこみ、この決議に否をとなえ、「今は卑屈な復讐を果す時ではない。我々の国家を築く時だ」と説得し、チーム名は変えずにワールドカップに挑むことになります。黒人の手に主権が戻ってきたから黒人の国へ、ではなく、黒人と白人が共存する国なのだ、というのをスローガンにかかげてこのワールドカップを強力に推したマンデラの思いは、果してどういう結果に…。

歴史は判然としていますが、その時、マンデラという人間を理解し、その目的のために働いた人物がいました。それが〝スプリングボクス〟のキャプテン、ピナールでした。この役をマット・デイモンが好演しています。この映画を見て、つくづく日本は不幸な国だなあと実感しました。

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