2011.12
【著者:村松 行人】
レンタル市場のサバイバル
(8)客層を絞り込むという考え方(1/4)
パッケージ市場再生への3つの提案
米国の業界誌ホーム・メディア・マガジン編集長のトーマス・アーノルドさんという方(Thomas K. Arnold:publisher and editorial director of Home Media Magazine)が同誌にパッケージ市場再生への3つの提案をしています。
提案の背景にはハリウッド・メジャースタジオの深刻な業績不振、特にパッケージ売上の低迷があります。
昨年の映像ソフトの売上高はピークの06年に比べ30%もダウンしていますが、その原因は通信レンタルのNetflixと1ドルレンタル自販機の RedboxのDVD格安レンタルの横行でBDソフトが売れなくなったからだ、というのがハリウッドをはじめ米国ホーム・エンタテイメント業界の共通認識です。
ちなみにNetflixの売上高は米国パッケージ市場総売上の25%を占めるまでに成長していますがスタジオの対Netflix売上は各社共に全売上の5%前後だといいます。ということで同氏の提案もいかにスタジオ各社のパッケージ(BD)売上を伸ばすか、に焦点が絞られています。
第1の提案 家電メーカーはDVDデッキの製造を止めBDデッキのみを製造販売する。
第2の提案 コンピュータメーカーは新しいパソコン全部にDVDではなくBD再生機能を持たせる。
BDデッキ、パソコン共に必要ならばDVDの再生機能を持たせればよい。BDの素晴らしさや優れた機能に関する消費者の教育も大切である。
第3の提案 ハリウッド・メジャースタジオはDVDリリースの1ヶ月前にBDを発売する。
DVDはBDの1ヶ月後に1枚5ドル程度で発売する。DVDを1ケ月後に5ドルで買うユーザーはもともとNetflix か Redboxの顧客層だから新作を1ヶ月待つことを厭はない。1ヶ月後に5ドルでDVDが買えれば多くの人がレンタルでなくセルを選ぶだろう。
さらに、レンタル店(リアル店舖)はこれらのすべてを扱うことができ、新作のBDを仕入れてレンタルだけでなくセルも行い、1カ月後にDVDのセルとレンタルを行う。これによりビデオ店はここ数年間に失なった市場のいくらかを取り戻すことが出来るだろう。また遠ざかっていたセルの儲けのうま味を思い出すだろう。
以上、最後にリアル店舖レンタルにまで触れる、パッケージ市場をよく知った人ならではのシンプルで明快かつ具体的なアイデアだと思います。また映像配信ではなくパッケージ、特にBD市場を伸ばす以外にハリウッド再生の道はないことをよく理解している人の意見であることもわかります。










