
2010.12
第23回 全国名物店員訪問記(1/2)
【著者:行 達也】
今回もCDショップ大賞を積極的に盛り上げてくれているバイヤーさんを紹介したいと思います。東京東久留米のイトーヨーカドー内にある新星堂東久留米店の店長、千田富美代さんです。彼女は第1回のCDショップ大賞の準備期間から定例会議にほぼ毎回出席して、CDショップ大賞はこうあるべき、ということについて、熱い意見を述べていただいていて、賞の設立に大きく貢献してくれたスタッフの一人です。
実は千田さん、この仕事に就いてから25年という大ベテランで、本来であれば、自分の店のマネージメントに専念していてもおかしくないキャリアなのですが、こうやってわざわざ車で1時間以上もかけて毎回出席してくれる理由は何なんでしょう?ってことでお店までお話を伺いに行きました。(やっぱりスンゲエ遠かったんだけど)
「本当はこんな動機だといけないのかもしれないんですが、この賞に参加することで自分自身がいろいろな新しい音楽、知らなかった世界を知ることが出来たんです。さすがに25年もこの業界で働いていると、段々と嗜好の幅が狭まってきて、得意なジャンルや好きなモノしか聴かなくなってくるんです。そうなってくると、自分の偏りが売場にも反映されてしまって、売場として面白みに欠けてくるんですよね。この賞に参加したことで、自分に足りなかった部分を補足できたことはたくさんあります」
-どうです、この心意気。まあ、確かにこの賞の目的はユーザーに向けて『さすがCDショップの店員は良く知ってるなあ』って思ってもらうためにやってるワケなので、動機としてはズレているかもしれませんが、それでもこの賞によって一人のスタッフのモチベーションに貢献しているというだけでも一つの成果のような気がします。しかもこれだけのキャリアがありながら勉強しようという気があるだなんて…自分なんて、たかが10年ぐらいしかバイヤーやりませんでしたが、見事に音楽性は偏りを見せ、反省するどころか「他がつまらなすぎる!」と逆ギレする始末。千田さんの爪の垢を煎じていただく他はありません。
「あと、これに参加することで他のチェーン店のみなさんと交流することが出来て、CD屋に対する愛情を持ち直すことができたかもしれません。普段は、仕入れのことや売上のこと、マネージメントに関わるさまざまなことに囚われて、忘れがちですが、やっぱりCD屋はエンターテイメントビジネスであって、来たお客さんに楽しんでもらえる場所を作るということにもっと情熱を注がないと思いました。特に今、CDが売れないこんな時期だからこそ、自分が店頭に立ってて楽しいだとか、商品に愛情を持ったりだとか思えることが出来ていないとダメだなって思います」
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