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2009.12 No.309

【著者:千葉 隆弘】

ドント・ギブ・アップ ~名曲のもつ今日的意義とは~(3/3)

レディー・ガガからのメッセージ

日本でこの曲をよく耳にしていた頃、私は高校の部活でラグビーに明け暮れる毎日でした。この詞に込められた深い意味など当時は知る由もありませんでしたが、ピーターの素朴で力強い歌声とケイトの優しく囁くような“don’t give up”に、練習の疲れもいつしか癒され、勉強机に向かった夜を思い出します。当時の日本はまだバブル景気の最中であり、大恐慌時代のアメリカの情景を顧みる人などはおそらく誰もいなかったでしょう。

あれから20余年が経過した今、この曲をカヴァーした理由について、レディー・ガガは「今の若い人達がケイト・ブッシュについて何かを聞いたり学んだりしてくれたら」と話したそうです。彼女がケイトをリスペクトしているという事実も我々にとっては興味深いのですが、それ以上に、彼女が今のこの時世を鑑み、あえてこの曲を選んだという見識の高さに、私は深い感銘を覚えています。

ちなみにこのカヴァー曲、正式なリリースの発表はなされていませんが(2009年11月25日時点)、ぜひCDで聴きたいですね。

【参考文献】
スペンサー・ブライト(著)岡山 徹(訳)
ピーター・ガブリエル 正伝
音楽之友社(東京),1989年.
Stryker, Roy Emerson, and Wood, Nancy.
In This Proud Land: America 1935-1943 as Seen in the FSA Photographs.
Greenwich, Connecticut: New York Graphic Society, 1973.

【千葉 隆弘】
(株)湘南 ホームエンタテインメント事業部

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