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2017.4

第73回(2/3)

【著者:行 達也】

―なるほど。

「CDが最初に発売されたのは1982年だったんですが、ソニーとフィリップスで開発されたので、僕は1979年に研究所でその音をすでに聴かせてもらっていて、アナログの音源と比較してたりしたんです。というのも、ソニー技術研究所と私の関係は音の比較、つまりA,Bで違いがあるかないか、ある場合はどう違って聴こえるかなど、後からわかったことですがそれがPCMの技術開発チームだったんです。また、他にもスピーカーの研究チームや特にマイクロフォンチームでは有名なソニー製真空管マイク500Mというとんでもなく高価なマイク、いまも海外で使用されていますがその開発チームに情報提供したこともありました。だからしょっちゅう行ってましたね。あと、ソニーだと洋楽もあるワケだから、毎月の新譜が確実にマスターで聴けるっていうメリット。もちろんこれらの音源にノイズが乗ってないかを調べるサウンドチェックという仕事だったんですが、これも大きかったですよね。とにかくエンジニアとしてあれほど恵まれた環境はなかったですね。

―きっと田中さんの探究心の強さゆえ、っていうところはありますよね?おそらく一定のキャリアを積んだとしたら、後は向上心がなくとも手なりで仕事はできるワケじゃないですか。

「そうかもしれないけど、自分自身は右から左へと単純作業としてマスタリングの仕事をこなしていくということはしたくないですね。だから敵も多いんですけどね(笑)」

―敵も多い?(笑)どういうことですか?

「例えば、ミックスの悪い音源が回ってきたりすると、ハッキリそう言っちゃうんです。だって『ボーカル上げてください』って言われてもミックスで引っ込んじゃってるから出せないですよ。EQ使ったら同じ音域の他の楽器だって上がるワケだから。そこに気を使ってなんとなく責めなかったりして曖昧に進めると良い仕事なんて出来ないと思っていますので。だから敵が多い(笑)。」

―そうなんですね、難しいですね(笑)。ところで田中さんは元々レコーディングエンジニアとしてキャリアをスタートされたワケですが、どういう経緯でマスタリングエンジニアになられたんですか?

「僕の場合は、干されたんです。仕事を。」

―え?干された?

「そう(笑)。新人歌手で音程の悪い子がいて担当ディレクターから『じゃあ、ごまかすためにもダブル(注:同じ箇所を2度歌って重ねる)にしましょう、とかリバーブをもっと深く!』とか取り繕うことばっかり注文してくるから、それでいいのか!?みたいな感じになって、結局、ディレクターから、じゃああなたとは仕事できない、みたいなことを言われて」

―ありゃー…

「とか、そういう音へのこだわりみたいな部分でディレクターとぶつかることが多くて、レコーディング仕事が減っていったんです。そこからカラオケ音源の編集だとか、マスターのチェックだとかやってる内にCDが発売されるようになって、アナログからCDへの変換や、そのマスターのチェックとかやってたんです。

―じゃあ、望んでこの仕事に就いたワケではなくて…

「そうですね、そういう運命というか(笑)」

―ってことはアナログの時代にはマスタリングっていう概念はなかったんですね。

「そうですね、2ミックスの音源をカッティングに回してそれで音に関する作業はおしまい。カッティングの段階でEQをいじったり、コンプをかけるっていうことはなかったです。最終の2ミックスの音がそのままレコードになるっていうのが当たり前だったんです。逆に曲げることはありえないですね。エンジニアから余程の指示がない限り、基本的にはフラットな状態で製品化されるようになってました。」

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