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レンタルと著作権

2010.02

【著者:村松 行人】

レンタル店生残りへの差別化戦略(1)
接客力強化でお客様を囲い込む(1/5)

正月早々多くの商圏で旧作料金100円が相場になってしまいました。本来、低料金戦略とは料金を格安にすることで集客力を強めて大量に貸出すことで高売上げを狙うインパクトの強い戦略です。

集客力の強化は競合店の顧客を奪うことと低料金による新規(潜在)顧客の掘起こしにより実現します。しかし実際には成長期をとうに過ぎたレンタル市場で、それにもまして未曾有の大不況下ですから100円という低料金でも新たなレンタル・ニーズを創造する力は弱く、また競合店が同調したり様々な対策を講じたことで商圏内のユーザーの流れが変ったのはほんの一時期で、結果全ての店が値下げ分だけ売上が減ってしまったというのが現況です。 

それだけでなく、昨年来の旧作100円騒動はレンタル市場に大きな禍根を残しました。多くの店が売上ダウンに対応して仕入予算の削減をせざるを得なくなっています。お客様に喜んで頂ける毎月の必要にして十分な新作仕入があればこそのレンタル市場ですから仕入の縮小は市場の活気を奪い市場規模縮小を加速します。

米国ではパッケージ業界最大手の業界誌「VIDEO BUSINESS」が正月早々廃刊に追い込まれました。創刊以来29年間、作品情報からレンタル・セル両市場情報、メジャー・スタジオ情報、VODやニューメディア情報と、ホーム・エンタテイメント全般への的確な目配りで業界人必携の情報源として信頼されてきた雑誌が突然消えてしまったのですからショックでした。収入の100%を広告料収入に依存して購読料もHPもメルマガも無料で提供していましたからハリウッドからの広告出稿減少が致命傷となったのでしょう。

前回、本欄で新作1泊1ドルの自動レンタル機の氾濫が映画産業全体を疲弊させていると報告しましたがその余波がパッケージ市場の貴重な情報源まで直撃したということです。米国レンタル市場への影響は大きいでしょう。

「商い」の原点に帰り お客様を大切にする

新年早々、親しいレンタル店経営者の方々に生残りへの「自信」を聞いてみました。①自信がある ②当分は何とかなるだろう ③自信がない の三択アンケートでしたが①「自信がある」と回答した方はゼロ、殆どの方が②「何とかなるだろう」でした。また別の設問への回答で殆どの経営者が「レンタルは自社にとってまだまだ大切な事業だ」と回答しています。

料金戦争がエスカレートし、全く先が読めない中で「まだまだ大切な事業」を維持してゆくために何をすればよいかがわからずに迷っている方も多いと思います。低料金ではお客様も売上も増えないことは明らかです。今年は「低料金では差別化できない」とう認識から始める必要があると思います。

今大切なのは、厳しい環境下でどうすれば「お客様が自店に足を向けて下さるか」「お客様に選ばれる店になれるか」を「商いの原点」に帰って真剣に考え直すことです。そこで少し遠回りですが接客力をより強めてお客様を大切にして支持率を高め、コンスタントな集客力を確保する戦略の効果に注目する必要があります。

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