|
デジタル・トレンド
|
2009.08 No.305
【著者:高野 雅晴】
台頭するクラウドコンピューティングとレンタルビジネス(1/3)
2009年7月、デジタルメディアおよびITビジネスの今後を占う大きな発表をマイクロソフトとグーグルが実施した。まずはマイクロソフトが2009年7月7日にパソコン用OSの新バージョン「Windows 7日本語版」の一般発売日が米国など他の地域同様、10月22日になることを明かにした。マイクロソフトは「Windows XP」の後継OSである「Windows Vista」への移行の失敗経験を踏まえて、稼ぎ頭になるべき、Windows 7の開発には並々ならぬ力を入れてきた。なかでもVistaで不評だった起動時間を大幅に短縮したことが最大のウリである。
しかし、その同日、WindowsやApple、Linuxに代わる軽量・高速なプラットフォームとなるChrome OSの発表をグーグルがぶつけてきた。Chrome OSは、ネットブックと呼ばれる5万円程度の低価格ノートパソコンに向けたOSであり、オープンソースかつ無料で提供される。グーグルはネットに接続したユーザに対する広告ビジネスに主軸を置いていることを背景に、マイクロソフトの収益源であるOS分野に無料という武器で攻め込んできたのである。同社はすでに携帯電話向けプラットフォームのAndroidを無償提供しているが、Chrome OSは同じスキームを台頭していたネットブックに提供するものである。起動時間を大幅に短縮したといってもWindows 7は数十秒かかる。これに対して数秒で起動し、すぐにネットに接続できることがChrome OSの特徴である。同OSが搭載されたネットブックが登場するのは来年秋としており、発表のタイミングとしては早すぎる。明らかにマイクロソフトの発表を意識したのだろう。
マイクロソフトとグーグル
この発表ののち、今度は再びマイクロソフトが、主力アプリケーション商品の新シリーズ「Office 2010」の機能限定版をWebベースで無料提供すると発表した。これはグーグルが無料のWeb版として提供しているGoogleドキュメントなどに対抗するための動きである。同社にさらにグーグル対抗の新たな検索サービス「bing」の提供も開始している。
こうした両社の競り合いの背景にあるキーワードが、クラウドコンピューティングである。











