2010.04
【著者:村松 行人】
レンタル店生残りへの差別化戦略(3)競合差別化への品揃強化策(1/4)
レンタル月商が昨年比80%台まで落ち込んでいる店が増えています。月商が1000万円前後、あるいはそれ以上の店ならまだ頑張れるでしょうが月商200~300万円(あるいはそれ以上でも)の店の売上が連続して20%も落込むと赤信号です。一般に売上高に逆比例して仕入比率は高くなります、また売上規模に関係ない必要経費も色々ありますから売上の少ない店ほど単月決算が赤字となる確率は高くこれ以上赤字が続けば店の存続は不可能でしょう。
ということで売上不振対策として多くの店が大幅な仕入予算削減をするようになりました。しかし経営破綻のパターンは・売上不振→仕入予算の削減→更なる売上不振→更に仕入予算を削減→閉店、という負の連鎖です。VHSの時代から「仕入を削ることは店の命を削ることだ」といわれてきましたがこの原則は今も変りません。
恐ろしいのは仕入予算を縮小しても当初の1~2ヶ月は(50%縮小といった思い切った削減でも)売上減はごく僅かです。そこで「そんなに仕入れなくてもいいんだ!」といった勘違いをします。しかし、3ヶ月を過ぎると突然客足が途絶え、大幅な売上減に見舞われます、癌が全身に転移した状態と同じでしょうか、そうなると売上挽回はほぼ不可能、3ヶ月後に注意!です。どんなビジネスでも縮小バランスほど難しく危険な作業はないことをお忘れなく。
3月16日、米国ではブロックバスターの株価が28セントまで暴落し、連邦破産法に基づく会社更生手続きの申請をする可能性が大きくなったと報じられました。負債総額は約900億円。前々から「時間の問題」とささやかれていたことではありますが同社が急いでいる自動レンタル機市場への進出、ネットレンタル、ネット配信といった新規事業への業態転換の可能性をメジャー・スタジオや金融機関、投資家達がどう評価し支援するのかどうか、本稿を皆様が目にする頃には命運が決まっているかもしれません。日本も速やかに100円レンタルに決着をつけないと明日がありません。
お客様にとって品揃えのいい店とはどんな店か
色々なレンタル店を訪問して新作コーナーから準新作、ベスト・コーナーさらに各ジャンル旧作コーナーへと巡ると店により品揃えにも回転している作品にもかなりの差あるいは個性があることに気付きます。その差はその店が各コーナーやジャンルにある個々の作品をどう評価しているか、力を入れているか、在庫数、見せ方、並べ方によっても違ってきますが、それも含めてお客様は店により品揃えに「差」があると見ているのだと思います。ある店では10枚在庫して7枚も貸出中の人気作品が別の店ではどこを探しても見当たらない、他の店では2枚在庫しているもののコーナーの最下段で休眠状態、といったことは珍しくありません。こうした違いがお客様の評価を決めているだけでなく、その作品を活かしていない店では「売上機会損失」という目に見えない大きなロスが発生しているということです。
お客様にとって品揃えのよい店とは「見たい!」と思う作品が豊富にある店のこと、大好きな作品や感動した作品が全て揃っていて、かつ大切に扱われている店のことだと思います。であれば各ジャンル、各コーナーにお客様が喜んで借りて下さる人気高回転作品が網羅され、在庫数も十分にある状態にすればよいわけです。競合店や近隣の大型店、繁盛店で高回転している作品が自店にはない、在庫が不足している、あるいは活かされていないといったことがあってはならないのです。
前回、毎月の新作仕入れの蓄積がその店の品揃えとなり個性となる、と書きました。その通りで品揃えはその店が歩んできた歴史でもありますから品揃えが悪いからといってそう簡単には改善することなどできません。在庫を補充するにはそれなりの費用がかかり、回転データや情報解析、棚作りには優秀なマンパワーが必要です。











